fintech航海記

日本のフィンテックスタートアップ、エンジニアリングマネージャーを経て、アクセンチュアで経営コンサルティングに従事。現在は海外のフィンテック企業の事例を紹介するメディア「fintech航海記」

イギリスのBNPL事情

イギリスにおけるBNPL(Buy Now, Pay Later)の拡大と規制強化の動向

イギリスでは、後払い決済サービスであるBNPL(Buy Now, Pay Later)が急速に普及しており、政府による金融規制の強化が検討されています。本記事では、BNPLの利用状況、主要サービス提供企業、そして規制強化の計画について解説します。


BNPLの利用状況

  • 急成長する市場
    2021年のBNPLサービスでの支払額は前年比41.8%増となり、特に若年層の間で大きな人気を集めています。

  • 若年層の利用が中心
    ミレニアル世代とZ世代の約半数が利用しており、クレジットカードの所有率が低い若年層にとって、手軽な決済手段として注目されています。


主なBNPLサービス提供企業

  • スウェーデンのクラルナ(Klarna)
    世界的に展開する大手BNPL企業で、シンプルな分割払いサービスが特徴。

  • オーストラリアのアフターペイ(Afterpay)
    買い物時に分割払いを選択できる手軽さから、多くの利用者を獲得しています。


政府による規制強化の計画

  • 広告の公正性の確保
    BNPLサービスに関する広告が誤解を招かないようにするための基準策定。

  • 事業者の認可取得義務化
    ローン提供事業者に対し、正式な認可を取得することを義務付ける方針。

  • 利用者保護の拡充
    利用者が苦情を申し立てられる仕組みを整備することで、消費者保護を強化。


BNPLが注目される理由

BNPLは、クレジットカードとは異なり、与信審査が不要で手数料なしで分割払いが可能な決済方法です。これにより、特にクレジットカードを持たない若年層やキャッシュレス志向の高い消費者に広く受け入れられています。


キャッシュレス化の進展

イギリスでは、キャッシュレス決済の普及が進んでいます。2023年には、100ポンド以下の対面取引の93.4%がタッチ決済で行われるなど、現金を使わない取引が主流となっています。


BNPLの利便性と普及が進む一方で、消費者保護の観点からの規制強化が求められています。これにより、公正かつ安全な金融環境の実現が期待されます。